奥田元宋作品

たそがれ近く(たそがれちかく)

太陽が沈んで間もない時間帯と思われる、明るい花々と草葺の屋根が立ち並ぶ海辺の村を描いた作品です。民家を所々に配しながらも人物が描かれていない画面からは、生活感と黄昏時の寂しさが重なって感じられます。この頃の元宋は、フランス・ナビ派の画家ピエール・ボナールの影響を受けており、本作品でも筆で絵具を置き重ね、油彩でタッチするようにして色を塗った箇所が見られます。暖色系を多用する中で陰になった部分はフランス印象派風の青みを帯びた描写となっており、光を帯びつつも暗がりへ移行する微妙な時間を演出しています。

作品情報

制作年:1951(昭和26)年 第7回日展
材質・形状:絹本彩色・額装
サイズ:115.0cm×187.5cm

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