奥田小由女作品
蘭橙 (らんとう)
直立した女性が手に提げているのは携帯照明用具のランタンです。タイトルの『蘭燈』は美しいともし火という意味ですが、ランタンの当て字としても用いられています。飛ぶ鳥の模様が描かれた黒地の服を背景にすると、金色のランタンの存在が際立って感じられます。大きな襟が印象的な長衣をまとった女性像は、他にも様々なバージョンの人形作品がありますが。比較的落ち着いた色調でランタンを持つこの作品は、一種独特の雰囲気を持っており、人間の持つ情念を豊かに表現した作品といえるでしょう。
作品情報
制作年:1981(昭和56)年 第67回光風会展
材質・形状:樹脂・色胡粉
サイズ:58.5cm×18.0 cm×18.0 cm