奥田小由女作品

風(かぜ)

衣が人体を形作っているような不思議な造形です。作家は風に吹かれることで、波うつ布はその存在を示すかのようであると語っています。この作品は布が風によって、人の姿に形作られた様を表しているのでしょうか。左から右へ流れる風になびきながらも五人の視線が複雑に交差しているところに個々の意思を持った人の表現が感ぜられ、この作品に寄せられた「風に洗い出される人間像を作品にしてみたいと白を求めた」という言葉は、空間と人物の融合を感じさせる『白の時代』を象徴する一文といえます。

作品情報

制作年:2008(平成21)年 改組第6回日展特選受賞作の再現作
材質・形状:樹脂・胡粉
サイズ:46.0cm×80.0 cm×28.0 cm

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