奥田小由女作品

鳥を抱く(とりをいだく)

奥田小由女作品には、人間の女性の他に小さな生き物がたびたび登場し、その姿からは生きるものへの慈愛が感ぜられます。生き物の中でも鳥は頻繁に用いられるモチーフであり、白の時代の作品にも登場しています。鳥の形は作品によって様々ですが、この作品の青い鳥は、女性の腕の中にその身を預けるようにして、まるで母親に抱かれて眠る子供のように安心しきった様子です。女性の頭部は大きな広がりを持ち、体は台座にまっすぐ立てている、この非常に安定感のあるフォルムが、女性の芯にあるものを表現しているかのようです。

作品情報

制作年:1979(昭和54)年 第65回光風会展
材質・形状:樹脂・色胡粉
サイズ:82.5cm×43.5cm×31.5cm

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