奥田元宋作品

山響淙々(さんきょうそうそう)

奥田元宋90歳の絶筆です。本来は三枚額の作品となる予定でしたが、一枚目の本作のみが描き上がった状態で現在残されています。元宋は色彩を駆使し、特に「元宋の赤」と呼ばれる赤で水墨画の世界を表したと言われていますが、「墨で七彩の色を表現し、精神的な緊張感を一気に吐き出す」という境地に自分は到達していない、という理由で本格的な水墨画に着手することは本作に至るまで無かったといいます。霞む山を薄墨で表わし、木葉を金泥で薄く刷いて、流れ落ちる滝を白い胡粉で際立たせた現代的な水墨の世界。90歳にして到達した境地です。

作品情報

制作年:2002(平成14)年
材質・形状:絹本彩色・額装
サイズ:199.0cm×95.0cm

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