奥田元宋作品

秋耀細瀑(しゅうようさいばく)

青森県の、秋の奥入瀬にある滝を描いた作品。一本の滝を拡大して描いた《霜瀑》と似た形状をしていることから、同じ滝を描いたものである可能性があります。一筋の滝は勢いよく流れ落ちていくようですが、滝壺の辺りは木々に囲まれているためか水の流れが不明瞭です。滝を囲む紅葉は様々な赤をはじめ数多くの色を用いて、奥入瀬の錦秋を強調しています。その中で、細い滝のどこかはかなげな雰囲気は、かえってその存在を引き立たせているようにも思えます。カラリストとしての本領を発揮しつつも、心象風景画としての要素を強く感じさせる作品といえるでしょう。

作品情報

制作年:2000(平成12)年 改組第32回日展
材質・形状:紙本彩色・額装
サイズ:178.0cm×221.0cm

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