奥田元宋作品
綵苑(さいえん)
《春耀》と春秋で対をなす六曲一双の金屏風です。元宋は70歳を過ぎた頃から、日展出品作よりさらに大きな画面の絵画を手がけるようになり、本作もその一環として制作されました。自宅の庭や東京都練馬区の石神井公園の三宝寺池で見た木々と雑草をモチーフにして秋の水辺の風景を描いていたといいます。異なる色の葉の樹木を隣合せて配していることで、どこかリズミカルな印象を感じさせます。
《紅嶺》《白嶂》《春耀》《奥入瀬(春)》などの大作とともに1987年開催の「幽玄讃歌-奥田元宋展」で公開されました。これらの大作を制作するスペースを確保するために画室の柱を一本切り、もう一本切ろうとして大工さんに止められたというエピソードがあります。
作品情報
制作年:1987(昭和62)年
材質・形状:絹本彩色・六曲一双屏風
サイズ:各171.2cm×354.5cm(一双)