奥田小由女作品
海への誘い(うみへのいざない)
題名のとおり、海の意匠を集めて視線を誘うような人形作品です。水中をたゆたうような二人の女性像の周りに魚やヒトデ、イソギンチャクが集まり、海の生命と一体化したようなイメージを感じさせます。また、台座は量感ある二枚貝の形を模して、ゆらめく人形を海の底に繋ぎとめる支点のようにも見えます。水色を基調とした衣装には、植物の文様と、それを縁取るような金糸状の装飾が明るさと華やかさを演出しています。
髪と衣服の境界が曖昧になりつつある表現は海や水をテーマにした人形作品に多くみられ、小由女作品の見どころのひとつといえます。
作品情報
制作年:1994(平成6)年 改組第26回日展
材質・形状:樹脂・色胡粉
サイズ:93.0cm×47.0 cm×32.0 cm