奥田小由女作品

花の門(はなのもん)

赤子を抱える母親が、大輪の花を咲かせた花の門にたたずみ、身につけた服にも赤い花がデザインされています。慈愛に満ちたまなざしでわが子をじっと見つめ、右手にとまる蝶までもが小さな命を祝福しているかのようです。親子の情愛というテーマは、多くの作品でくり返し試みられて、さまざまな形で追求されています。母と子の愛情という人類普遍のテーマを扱うからでしょうか、本作に限らず、小由女作品に表現される女性は、宗教的な観念を呼び起こされるものが多く、その姿は宗教の違いを超えて、聖母や観音のようにも感じられてきます。

作品情報

制作年:1984(昭和59)年 第16回日展
材質・形状:樹脂・色胡粉
サイズ:66.0cm×51.0cm×23.0cm

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