2009.9/4~10/25 円空・木喰展 「庶民の信仰」の系譜

天平~鎌倉時代に進化を続けた仏像表現は、江戸時代には過去の作品を真似ることを主とする停滞期に入ります。そんな時代に活動した造仏聖・円空と木喰は、都を離れ地方を巡る行脚僧として布教活動をしながら独創的な仏像や神像を彫り続けました。その作品は現在、江戸期木彫仏を代表するものとして注目を集めています。
生涯十二万体の造仏を祈願し、荒々しくも自由奔放で力強い木彫仏を数多く残した円空と、表情豊かな「微笑仏」と呼ばれる仏像様式を確立し、二千体の造仏を目指した木喰。主に庶民との交流を通して彼らが彫った木像の多くは、庶民の信仰の対象として守り伝えられてきました。
円空・木喰の名はその死後しばらく忘れ去られていましたが、20世紀になって、地方の寺社に残されていた彼らの木像に魅せられた研究者や美術作家らによってその業績が掘り起こされます。仏の姿をデフォルメ化した粗彫りの木像は、アカデミズムな美術には見られない彫刻として全国的ブームとなりました。円空・木喰の独創的かつ木の素材感を強調した造形は、西洋彫刻に染まりつつあった近代日本の彫刻家の目にも革新的に映り、彼らの制作に大きな影響を与えています。
本展覧会では、各地に散らばる200体近くの円空・木喰の木彫仏が集結します。時代を超えて人々を魅了する2人の造形を展観できる貴重な機会となります。

展覧会巡回先

11/7(土)~11/29(日) 美術館「えき」KYOTO
12/12(土)~2010.1/24(日) 愛媛県美術館

展示作品・構成

出品リストはこちら

円空(1632~1695年)・木喰(1718?~1810年)が制作し、全国の寺社に祀られている神像や仏像、および書や絵画などを含めた資料を合計約200点あまりを展示し、円空・木喰独特の造形表現と、彼らの仏像が再発見されたことの意義を紹介します。

会期

平成21年9月4日(金) ~ 10月25日(日)
会期中の休館日 : 9月9日(水)、10月14日(水)

会場

奥田元宋・小由女美術館 企画展示室1~3

開館時間

9:30 ~ 17:00
9月5日(土)、10月3日(土)・4日(日)は開館時間を21:00まで延長

10月3日は中秋の名月です。

入場料金(常設展+企画展の観覧)

  • 一般 : 1,100(900)円
  • ペアチケット〔一般男女のペアのみ〕 : 1,800円(2名分)
  • 高校・大学生〔学生証の提示が必要〕 : 500(400)円
  • 中学生以下 : 無料

※( )内は20名以上の団体および前売り料金
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者健康福祉手帳をお持ちの方は観覧料無料

イベントなど

・ロビーコンサート
9/5(土)、10/3(土)、10/4(日) ・・・ 14:00~/19:00~の2回公演
 ※展覧会チラシには、10/4は18:00~の1回公演と記載されていますが
通常通りの2回公演となりましたのでご了承ください。

・満月エクスプレスパック
9/5(土)、10/3(土) ※詳細はここをクリックして別ページへ

・学芸員によるギャラリートーク
「円空・木喰展」の展示内容を展覧会担当学芸員がご案内いたします。
日時:毎週土曜日… 11:00より開始
好評につき、最終日10月25日(日)にも行います(時間は同じ)。
企画展観覧チケットをご用意の上、企画展示室第1会場(1F)へお集まりください。

前売券販売所

【広島県内】
福屋(八丁堀本店・駅前店),天満屋(アルパーク店・福山店),ひろしま夢ぷらざ,
フジグラン(東広島・尾道・高陽・緑井・ナタリー),広島県内の主なゆめタウンとイズミ,中国自動車道安佐SA(上り)インフォメーション,山陽自動車道宮島SA(上り)・小谷SA(下り)各インフォメーション,中国新聞社ふれあい読者室,中国新聞各販売所(取り寄せ)
【三次市内】
サングリーン,CCプラザ,市役所東館受付

※前売券は売切れ次第販売終了とさせていただきます。

主催

財団法人奥田元宋・小由女美術館 中国新聞社

後援

NHK広島放送局 中国放送 広島テレビ 広島ホームテレビ テレビ新広島
広島エフエム放送 三次ケーブルビジョン 三次市 三次市教育委員会

監修

小島梯次氏 (円空学会常任理事・全国木喰学会評議員)

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